平成29年論文式試験 会計学(午前)
はじめに
今年の本試験についての個人的な感想を書いていきます。
あくまでも「感想」に過ぎないので、現在勉強されている方にとって
役立つ記事になるかは微妙です。
注意事項
※本記事は平成29年論文式試験の具体的内容に言及します。本試験問題を練習で解くつもりであるという受験生の方は注意してください。
※自己採点についてはTACの解答速報を主として参考にしています。
問題
会計学午前の部、管理会計は例年通り4つの小問から構成されています。
前から順に、「部門別原価計算」、「標準原価計算」、「設備投資意思決定」、「事業部制」が出題されました。
昨年、一昨年は「資金管理」というややマイナーな論点が2年連続で出題されていましたが、今年の出題はオーソドックスなもので、内容も原価計算系が2題、管理会計系が2題というバランスのいい構成でした。
では、一問ずつ見ていきます。
まず、第1問の小問1「部門別原価計算」。これはかなり簡単な問題でしたね。実は変なひっかけがあるのではないかと疑ってしまうくらい、ストレートで解きやすい問題でした。一番最初に解きやすい問題が配置されているのは、受験生への思いやりなんでしょうか?
この問題は、今現在短答式試験に向けて勉強されている方でも、計算は完答できる内容だと思います。
次に、第1問小問2「標準原価計算」。これも計算は完答できた人が多いのではないかと思います。
予備校の答練で出題されている標準原価計算の問題は、材料費・労務費も含むものが多いのですが、本問は製造間接費のみを問うものであり、普段解いている問題と比べても、計算の負担は軽かったです。
理論に関しては、少し答えにくい問題もあるものの、部分点はちょこちょこと狙いに行ける内容だったと思います。
そして第2問の小問1「設備投資意思決定」。
これは・・・悪問でしたね。
その道の権威の教授が集まってなぜこういった問題になるのか疑問なんですが・・・
解答速報もTACと大原とで異なってます。そして、正答の値が定まらない原因は端数処理の曖昧さにあります。「計算途中で四捨五入はせず、各年度ごとに最終数値の小数点第1位を四捨五入すること」というのが該当部分です。
この「各年度ごとに」というのが、いくつか違った形で捉えることができるため、どうやって端数処理をすべきかかなり困惑しました。
しかも、計算に関しては最終結果のみが問われているため、部分点が期待できず、多くの受験生が途中で捨て問にせざるを得なかったのではと思います。
よって、この問題はできるだけ時間をかけず、後回しにするという判断を迅速にできるかがポイントでしたね。
最後に第2問小問2「事業部制」。
第1問の2問がやや簡単過ぎ。一方で、第2問の小問1が没問ということで、実際合否の分かれ目はこの問題になるのではないかと思いました。
計算では、国外の事業部・移転価格といった応用論点があるものの、落ち着いて問題を読めばそれなりに解ける問題だったと思います。理論は計算に付随したものでした。
感想 自己採点 予想
第1問の計算は、小問1・小問2の両方完封できたと思います。理論に関しては、小問2の方がやや微妙ですがおおむねできたという感じ。全体で7割くらいのできかなと。
第2問については、小問1はほぼ全滅。ただ、小問2は何とか計算完答できたと思うので、全体で4割くらいのできと推定。
以上から、素点ベースでの自己採点予想は55点前後。偏差値では、50台半ばくらいではと予想します。
※予想と実際との比較は合格発表後に書いてみるつもりです。